<<2002年8月 FAC夏山合宿(両俣―北岳―広河原)>>

先発隊(園部、安藤):8/16北沢峠―仙丈小屋 8/17仙丈岳―仙塩尾根―両俣小屋
本隊:8/17野呂川出合―両俣小屋 8/18―北岳―肩の小屋 8/19―白根お池―広河原

【参加者】
愛甲@13、伊井@13、水島@18、赤羽@18、宮本@21、吉本@21
鶴留@21、稲葉@22、園部@24、安藤@28、中村@43

【園部・安藤隊の写真と記録】  【愛甲@13撮影写真】  【稲葉@22撮影写真】


北岳登頂





<コースタイム>

8/17(土)曇り時々晴
12:30 広河原発(芦安村営バス)
12:50 北沢橋発
  R1〜3:時刻記録なし
  R2:大仙丈沢出合…見上げる大仙丈の眺めが素晴らしい
  R3:中白根沢出合付近…歩き始めて間もなく
    園部・安藤両OBの出迎えを受ける
15:40 両俣小屋着

8/18(日)曇りのち雨
 4:30 起床
 5:50 両俣小屋発
  R1: 6:45〜 6:58
  R2: 7:20〜 7:27(左俣大滝)
  R3: 8:01〜 8:10
  R4: 8:42〜 8:50
  R5: 9:50〜10:15
  R6:10:25〜10:40
  R7:11:10〜11:45(昼食)
12:20 肩の小屋と山頂への分岐点
      ザックをデポし山頂往復
12:55〜13:05 北岳山頂(風強くガス)
13:45 北岳肩の小屋(泊)

8/19(月)雨
 5:00 起床
 6:05 北岳肩の小屋発 気温10℃
  R1: 6:45〜 6:50
  R2: 7:27〜 8:15
      (白根御池小屋・軒下にてコーヒータイム)
  R3: 9:07〜 9:12
  R4: 9:40〜 9:48
10:15 広河原着
11:30 芦安温泉

記録:水島@18

<行動記録>

台風情報に直前まで翻弄されたものの、先行した園部班の現地報告も「最悪両俣
小屋まで」は問題ないということになりました。
17日
愛甲班は宮本、吉本、そして予定列車に乗り遅れた中村青年がスーパーあずさに
移乗、思いがけず落合OGの見送りを受け新宿出発、武蔵小金井で鶴留OGが合
流。台風なんかどこにいるのといった中央線の旅は思い出話で満開。
甲府で伊井、水島、赤羽、稲葉とそろったところでバスと伊井OBの車に分乗。
広河原より乗り継いだ北沢峠行きのバスで「野呂川出会い」途中下車は我々の
み。バス道路のような林道を一路両俣小屋へ向かう途中、待ちかねて迎えに来た
園部、安藤両君と合流。やがて到着した両俣小屋では屋外のテーブルにビールが
どっさり我々を待っていました。夕食までのひととき釣師伊井OBが安藤、中村
君を率いて岩魚釣りへ。獲物は25センチほどの1匹を早速調理場に託しまし
た。今宵の両俣小屋はFACの貸切。管理人星さんを交え大宴会の開始。故手塚O
Bが残した歌集や文集を閲覧する。赤羽OB持参の古い歌集(きわめてユニーク
な編集、追って復刻版作製予定)で全員歌いまくる。しかし最若年中村君の時代
には山で歌を歌う慣わしは廃れていたらしい。消灯後も一部歌い足りない諸君が
小屋の外で夜更けまで、歌っていました。私には恰好の子守唄。
18日
仕事の都合で赤羽、安藤の両君は本日下山。二人に見送られ、園部君を加え9名
で出発。沢が荒れているとの話でしたが、確かに河原と巻き道が入り乱れ、いか
にもマイナーな登山道です。沢が終わり、あの地図で見た恐ろしい等高線が
真っ黒な急登にかかる。私にはFAC62年夏山合宿裏銀座縦走の取り付き、ブナ
立て尾根を思い出されます。高度を増すとともにペースは落ち、途中ついに稲葉君
からザックの交換を求められまして。実は全員がそろった時、私の荷の多さにあ
きれられていたのです。正確な計量はしていなかったのですが、嵩は皆の1.5
倍、重量は多分それ以上あったようです。後で稲葉君が言うには「上から転落さ
れても支えられないから自分で担いだほうが安全」と思ったそうです。彼のザッ
クを背負ってびっくりしました。いかに私は無用の道具の数々を詰め込んで
きたものか。
懸念した台風は八丈島付近にいるはず。雲の流れはせわしないものの稜線に出る
までは時々青空も現れる天候でした。北岳の分岐に到着した頃ついに雨となり、
登頂をためらいましたが「いけるところまで」という結果、たどり着いたところ
が頂上でした。なんと北岳に登頂してしまったのです。
水島、稲葉両君は明日の天候を考え白根御池小屋まで足を伸ばすことを検討して
いましたが私の足は伸び切っており、北岳、肩の小屋泊まりに決定。宿泊に
あたり食事は自炊とすることにしました。というのも各自が持参した「行動食」
を集めると相当な量となることがわかっていたからです。全員が持参したそれら
は今夜と明日朝を賄い、さらに「本当の非常食」を確保することが出来たのです。
夕食は「山用携帯食」の試食会となりました。いやはやなことです。
夜半雨音は不気味に山小屋の屋根をたたき、一縷の不安は眠りを妨げました。
19日
昨夜準備しておいた行動食とスープで朝食。出発時間の6時には雨はまさに台風
の接近を実感する大降り。ゴアテックス製品がナンボのものか検証する絶好の現
場となりました。木の根に足を何度かすくわれつつも、順調に白根御池小屋に到
着、大休止の後一気に広河原に到着。バス停にほとんど人影はなく、道路閉鎖の
可能生あり、との警報におびえつつ伊井車、園部車に分乗、芦安温泉までひた走
り。村営温泉に浸り、山行の疲れを癒した次第です。
甲府からの交通網の大混乱で隊員の帰路は二転三転、相模湖駅にたどり着いた時
は6時を過ぎていました。

記: 愛甲勝久