＜＜唐松岳～白馬岳縦走＞＞

＠34飯岡
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２００３年７月２５日（金）～２７日（日）
　　　7/25・八方尾根～唐松岳
　　　7/26・唐松岳～村営白馬山荘
　　　7/27・白馬岳～旭岳～大雪渓～猿倉

コースタイム：
　２５日・長野駅発8：30バス～八方9：30着～リフト経由八方池山荘食事～
　　　　　第1ケルン出発11：14～第2ケルン11：29～第３ケルン11：29～
　　　　　扇雪渓12：17～丸山ケルン12：43～13：24唐松山荘着～唐松岳周辺散策

　２６日・唐松山荘出発5：08～唐松岳着5：15～唐松岳出発5：34～不帰Ⅲ峰6：21～
　　　　　不帰Ⅰ峰8：17休息～天狗大下りピーク8：52～途中休息9：00～9：13～
　　　　　天狗の頭9：39～天狗山荘9：49朝食兼昼食～天狗山荘出発10：38～
　　　　　鑓温泉分岐11：01～白馬鑓着11：32～白馬鑓出発11：43～杓子岳取り付き12：09～
　　　　　雷鳥発見12：18～丸山にて休息13：02～村営白馬頂上宿舎13：10着～
　　　　　白馬山荘偵察～村営白馬頂上宿舎着14：00

　２７日・村営白馬頂上宿舎発6：04～白馬岳で遊ぶ～旭岳お花畑で遊ぶ～宿舎着8：38～
　　　　　宿舎発8：50～非難小屋9：31～大雪渓取り付き10：05～四合雪渓10：55休息～
　　　　　11：05出発～白馬尻小屋11：20休息～11：33出発～12：13猿倉着～
　　　　　12：45発のバスにて八方へ～八方発13：10のバスにて長野駅へ

＜２５日＞
1.八方尾根は霧の中

2.やっと出た夕刻の剣

3.不帰キレット偵察

＜２６日＞
4.ご来光

5.朝剣くんと

6.不帰の瞼

7.鎖場のトラバース

8.2峰北峰を振り返る

9.天狗の頭

10..雷鳥2

11.頂上山荘巡礼者

＜２７日＞
12.白馬巡礼者の朝

13.白馬山頂

14.大雪渓を登る人々

＜道程＞
★２５日
　　今週から梅雨が明けるということだったが、土日のたびにだまされ続けていたので心配
　　しながら東京を出発。長野駅におりたら快晴なので気をよくし、俄然やる気がでる。
　　リフトを乗り継いでいくと、2つめのリフトから濃い霧が発生し、周囲は閉ざされて
　　白馬は霧の中。八方池山荘でさっそくあんぱんとチーズを食べ、ストレッチをし、出発。

　　花盛りの山だというのに10Ｍ先も見えない。一般観光客の間をぬって登っていく。
　　八方尾根が結構長く感じるのは雪田がでるころまで渋滞になるせいだろう。
　　いくつかの雪田を経て気がつくと「山荘まであと５分」と石に書かれていた。
　　ホッとすると同時に胃がずどんと下に落ちて、急にお腹がすいてしまった。山荘では
　　香りの誘惑にまけ１杯１０００円のカレーを食べてしまう。時間があるので、唐松岳まで
　　明日行く「不帰」の偵察へ行く。日没前に一瞬きりが晴れ、正面に剣岳が見えた。
　　明日は晴れますように、、、。（祈）

★２６日
　　4：30ごろから起きて天気を見ていたが、空は濃霧。朝一の「不帰」なので、太陽が出る
　　のをしばらく待つ。5：00ごろようやくうす明るくなってきたので、唐松の山頂めがけて
　　出発した。
　　唐松の山頂につくころ五竜から霧が晴れ、山々が目を覚ますのが見えた。ゆっくりはして
　　いられない。今日は８時間以上の行程なので早々に出発である。
　　不帰についてはガイドブックや地形図でかなり調べてあったが、やはり不安だった。
　　岩場で一人というのも大きな不安要素である。２峰が核心であるとあったが行って見ると
　　驚くほどではなかった。唐松から五竜のルートの取り付きの方がよほどに怖い。
　　岩場はすいていたので、危険なところで待機させられることもなかった。
　　ここで、抜きつ抜かれつしていた一人歩きの磯子在住のおじ様とご一緒する。実はこのかた
　　は行きのバスから一緒だった人だ。　見た感じ６０歳ぐらいだろうか。健脚な方で鑓温泉
　　まわりで降りるというので、分岐までご一緒した。
　　気がつくと天狗山荘。まだ時刻は9：49。朝ごはんはウィダーインゼリーと行動食しか食べて
　　いなかったので、山小屋の朝ごはんをお弁当にしてもらったものを出してたべる。
　　ここで、大阪弁のバックパッカーなおにいちゃんと出会う。（そう若くもないような気も
　　するが、おしゃれな赤いふちのめがねをかけている。）
　　一緒にご飯をたべながら話をする。
　　「やまにはいい女がいない。いい女だと思っても、たいがい男連れや」と文句をいうので、
　　「山でかわいいこを探そうっていうのが、そもそもまちがってるんとちゃいますか？」と
　　　いったら、「おもろいねーちゃんやな。一杯のもうや！」と意気投合し、コーヒーを
　　沸かして３人盛り上がった。
　　天狗山荘の前の雪渓を恐る恐るトラバースしていくと、ざれた斜面一面にコマクサが咲いて
　　いた。ここからは雪渓の水蒸気を受けてみずみずしいお花が続く。不帰とは大違いな天国で
　　ある。
　　おじ様と鑓温泉の分岐で分かれる。「一緒に鑓温泉まわりで帰りましょうよ」と誘われるが、
　　「露天風呂が混浴だからねぇ、、、」とわけわからない理由をつけ、お断りする。
　　やっぱり温泉より三山と雪渓をやりたい。
　　杓子の取り付きで雷鳥に出会う。だらだらが続き、花にも飽きてきたころにようやく村営山荘
　　に着いた。が、白馬頂上山荘に泊まりたかったので疲れた体を引きずって上まで行ってみた。
　　ものすごい団体の数がチェックインを待っている。すぐにあきらめて村営宿舎にチェックイン。
　　２畳に３人といわれたが、一人旅用の部屋には人はあまり入らず、１人で3畳を使って寝ること
　　ができた。
　　同室の一人旅の女性を誘って、一緒にビールを飲み話をする。乳がんから立ち直るために一人
　　で山に入っている人だった。東京渋谷在住の明るい人だったが、ビールを飲み話をしながら泣
　　いていた。あなたはなぜ山に登るのか、、と人は訊ねるが、人にはそれぞれに「山に登りたい
　　理由」があるのだ。

★27日
　　今日は帰るだけ。いい加減に起き、いい加減に出発した。白馬岳ももう行かなくていいや、、
　　という気持ちだったが、いやいや歩きだしてみると晴れてきて、北アルプスが見え始めた。
　　急にやる気がでて、山頂へ登る。眺めがすごい。風もつよいが、天気がとにかく急によく
　　なった。白馬の周りにある山という山はすべてくっきりと見えた。槍～大キレット～穂高も
　　見え、しばし懐かしく眺める。唐松山荘からずっと一緒の7人パーティーのおじ様の一人が
　　私を見つけて写真を撮ってくださった。
　　風が強いので山頂を降りる。なんだか急にもったいなくなって、旭岳を冷やかしに行く。
　　旭岳は人があまりはいっていないせいか、花が格別綺麗だった。眺望も最高だ。この空気も
　　お花も展望も自分だけのもののような気がして気分がいい。
　　雪渓をくだる。6本爪をつけているから安定感があり早く降りられる。
　　雪渓の前後にはにわか登山者が多く、怖くてしょうがない。雪渓の取り付きでアイゼンを
　　つけていたら、すぐ上の岩上で優雅に弁当を食べている奴が落石を起こし、危うく当たり
　　そうになる。こんなところで休憩を取るべきではないのに、、、。かと思うと雪渓の急
　　傾斜のど真ん中あたりで、ルートから外れてキャンプシートを出して家族3人で座ってくつ
　　ろいでいる人がいる。後ろから見ていても怖くなったので、「シートがすべると危険ですよ」
　　と声をかけたが、
　　「うん♪そうなの。だから一生懸命お尻で抑えてるのよ♪」と明るく答えられてしまい、
　　いうだけ無駄とあきれてしまった。ここはスキー場じゃない！！天狗菱から落石の音が聞
　　こえている。子供もいるというのに、子供が滑落でもしたらどうするのだろう。
　　なんだか、早く降りたくなって、むやみに急いで降りてしまった。白馬尻小屋でゆっくり
　　しようと思ったが、時計を見ると1時間後にバスがある。もしや間に合うのではないかと思い、
　　あわてて出発。かけるように下ったため、40分で猿倉に到着してしまった。
　　八方で温泉でも入ろうかと思っていたが、13：10の長野行きバスに間に合ってしまったため、
　　温泉もキャンセルし、一路　長野駅に向かった。