高橋16期
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社団法人日本職業スキー教師協会(SIA)の第6回長野中信支部・山岳スキー研修会は無事
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終了しました。
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SIA本部の山岳研修は、2月の積雪期ルートガイディング、3月の八方尾根ガラガラ沢山岳
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スキー研修などを行いましたが、長野中信支部としては3月の焼岳に次ぐ今年2回目の研修で、
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中信支部SIA会員の資質向上に主眼を置いた国内トップレベルの研修です。
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槍ヶ岳周辺をゲレンデに山岳ガイド及び山岳スキーの技術・知識の習得が目標です。
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そして今回は特別にオブザーバーとして山本・安藤の両OBが参加できるよう取り計らいました。
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SIAの個人賛助会員としての立場を条件としました。
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本来、このような報告はSIA本部むけなのですが両OBの参加があったので簡単に述べておきます。
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15日・上高地〜槍ヶ岳肩の行程は厳しい天候となりました。強烈な寒気が入り、槍沢は吹き
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降ろしのブリザード状態でした。
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1800mで降り始めた雪が2500m地点では吹雪となり、途中で殺生小屋に逃げ
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込みました。その後、肩の小屋までの700mは瞬間風速35m/秒を超える猛烈な
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ブリザード。吹き飛ばされる寸前まで吹きました。
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6:00 上高地・環境庁施設出発
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8:00 横尾山荘出発
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9:00 槍沢小屋にて天候調整
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10:00 槍沢小屋出発
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13:30 殺生小屋
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15:30 肩の小屋着
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予想できない気象状況でしたが、それでも対応するのが山岳研修。装備・体力・技術・
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知識などに高度なものが求められます。参加の両OBの感想は如何に。
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16日・天候は快晴。肩の小屋直下の急斜面で集団滑降の撮影。
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槍をバックに最高の写真になるはずでしたが・・
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大急斜面下部から雪崩を警戒しながら右にトラバース。天狗原への急斜面の直登にかかる。
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この斜面下部には滝があり、滑落すると死亡事故になる可能性がある最も危険なところ。
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雪面状況がハードであれば当然ザイルを張る場面。ハーネスを付けたまま使わずに登攀。
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尾根を越えて横尾谷右又に入る。
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上部急斜面で次田ガイドが滑降中に表層雪崩を誘発。転倒しつつも逃げる。
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全員の滑走が始まるも、総合技術を問われることとなる。
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常に雪崩を警戒しつつ、下部の谷に進入。
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雪崩ブロックの上を滑降。
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強烈な雪面状況をこなして、雪渓最下部に到達。
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横尾山荘着は13時30分ごろでした。
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山岳スキー研修はスキー教師が対象で、ゲスト(クライアント)を安全にガイドできる技能の習得が
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目標です。今回参加の教師は、それぞれが通常の活動では非常に高い技能をもった教師ばかりで、
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クライアントの扱いには長けており、さらに山岳ジャンルでの技能向上を狙っての参加です。
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オブザーバー参加のOB両氏、いかがでしたか。
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@17山本
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いやはや大変な経験を致しました。
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MLでの高橋校長の呼びかけに、「またとないチャンス!」とばかりに手を挙げ、計
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画の概要(二日目:終日槍沢滑降、三日目:槍沢滑降下山)に、「二日目はスキーの
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足慣らしと下山に備えた急斜面滑降の習得(横滑り・プルークetc何でもあり)、
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あわよくばスキーを尻目に山頂へのピストン」を密かに考えていました。
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「春山極楽スキー」or「春の槍ヶ岳極楽登山」の甘いイメージはブロック雪崩の如
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く崩壊。
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還暦を過ぎた今、こんな「春山スキー登山」をするとは、夢にも思わなんだ!
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■一日目(15日)の悪天候は高橋校長記述の通り。
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現役時代、OB会に同行した「富士山雪上訓練」に勝とも劣らないブリザート状態。
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手袋を高橋校長と安藤OBに貸してもらい、何とか凍傷で指を落とさずに済む(今で
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も指先は痺れております)。
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垂れた鼻水は次々と吹っ飛んでくれるのは良いとして、前の安藤OBのケツに頭を
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くっつけても風除けにならず、襲いかかる突風にこの身も飛びそう。
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軽そうなインストラクターのF嬢が飛んでくれればその間少しは息を吐けそうと思う
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も(スマン)、彼女はヤマネの如く身を丸め、上手に風をやり過ごす。次田ガイドの
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「前のめりになるな!」「間を開けるな、トレース(キックステップ)が消える!」
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の怒鳴り声が風切音と共に今でも耳に残っております。
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■二日目(16日)はウソのような無風快晴状態。パッキング後、空身で肩の小屋直
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下を滑り、足慣らしとの御指示。
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思うに、次田ガイドは一番危なそうな小生の滑りをチェックし、横尾本谷右股ルート
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に連れていけるかどうか判断されたのでは?
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それが空身では何とか滑れても、ザックを担ぐとバランスも取れず恐怖感が倍にな
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り、後傾もそれに比例するのです。
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転倒しながらも天狗原へのトラバース地点に到着。ここで小生は到底天狗原を乗っり
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越して、右股を滑るのは無理と判断し(皆さんの足を引っ張ることになる←危険個所
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を速やかに通過する必要あり)、「このまま槍沢を下りたい」とアピールするも高橋
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校長の「一人ではダメ、俺が付いてに下る」とのお言葉あり、それでは申し訳ない、
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と躊躇する間に、前方の高橋校長、後ろの若林アシスタントガイドの誘導で、危険個
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所を斜滑降でトラバースしてしまう。
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そこで再度「このまま槍沢を下りたい」とアピールするも、時既に遅し(危険個所を
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またトラバースすることになる)。天狗原への登りは若林ガイドがご自身のスキーを
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ザックに括り、小生のスキーを持ってくれ、天狗原へ這い上がる。
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そこはつかの間のパラダイス。ここからヘリで下ろしてもらいたいと願うも携帯の
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バッテリーは切れ通信不能。つかの間の極楽を味わい、地獄の本谷右股の滑走開始と
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なる。
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こけつまろびつ、前の高橋校長、後の若林ガイドの誘導で地獄に堕ちることもなく、
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ヘロヘロゾンビ状態で本谷橋が遠望できる地点に到着。ここで山靴に履き替え、ザッ
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クにブーツを入れ、スキーを括る。この重量は現役以来!?。途中、ズボッと足が雪
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にもぐり、膝小僧を岩角に打ち付け、目から火花が出る痛さに身動き取れず。次田ガ
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イドが「何でトレースを辿らない!」と怒るも、岩の上にはトレースは付かないので
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す、先生。こうやってヤバイ箇所は誰かが犠牲になるのです。にもかかわらずF嬢は
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小生をイナバウアー状態、と嘲笑う。
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■横尾山荘ではきれいな湯船に浸かり、生還の喜びをしみじみ味わうも、談話室で
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「不肖ヤマモトにおける装備の不備、煙草の害悪etc」で延々と吊し上げにあい、
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総括を迫られたので若林ガイド持参の焼酎をあおり、長椅子で狸寝入りをきめこむ。
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■非難囂々にもかかわらず、「また来年もこようね」とインストラクター諸兄妹は奇
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妙に優しく仰ってくれる。
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高橋校長の報告には「山岳スキー研修はスキー教師が対象で、ゲスト(クライアン
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ト)を安全にガイドできる技能の習得が目標です」とあります。
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不肖ヤマモト、今回の「雪辱」を晴らすべく、エコーバレーでの長期スキーキャンプ
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を宣言したのでありますが、SIA賛助会員の立場から申し上げると「手のかかるク
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ライアントの方が研修になるのでは?」と考え込みました。しかし、クライアン・ト
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ヤマモト、このまま次回に臨めば施術も虚しく地獄に堕ちること必定。エコーバレー
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に雪が舞う頃までに方針を決定する所存です。
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●以上、謹んで報告・感想を申し述べました。これでよろしいでしょうか?偉大なる
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先輩OB高橋校長、カワイクナイ後輩OBサイレント・アン
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28期安藤
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【15日】
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5月の北アルプスというとアイゼン、ピッケル必携が常識のような感覚があるのですが、今回
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下りはスキーだし、いままでこの時期にアイゼン携行しても使ったことはないので、最悪でも
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凍っていたら登らなきゃいいのかということでアイゼンは不要と判断しつつも一抹の不安があり
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ザックにはいれて家を出ましたが、一人だけ持っていてもしょうがないので、着替えと一緒に
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横尾にデポすることにしました。
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殺生から槍の肩までアイゼンなしというのは泣きたくなるような厳しい状況でしたが一歩一歩
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確実にキックステップを蹴りこんでいけば滑るようなことはありませんでした。
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小屋まであと数十メートル、20センチほどの新雪で傾斜もゆるくなったところで、次田ガイドは
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一歩進むのに5秒も10秒もかけて雪面を探りながら登るのです。後で聞けば新雪の下の固い
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雪の上に前に登った人の跡がありそれを使いながら歩いていたということです。
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このようにして小屋たどり着き、ストーブを囲んでブランデーなど一口いただくともう全身とろ
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けてしまいます。
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【16日】
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槍の肩で一度空身で練習してからということで感触を確かめるように滑る。締ってはいるが
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エッジは利くのでこれなら行けると思い体力温存のため練習は一度で切り上げる。
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若林さんの予想通り、昨日の低温が今日のスキーには吉となる。
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慎重に、練習のためにシュテムターンもいれながらすべる。
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天狗原へのぼるトラバース地点まではあっという間である。
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このあたりまでくると雪はふかふかのザラメとなり恐怖のトラバース、地獄の登りも足場は
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しっかり作れるので技術的には難しくないが、ミスはゆるされないのでプレッシャーは昨日と
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変わらない。天狗原の上、横尾尾根のコルから横尾右俣へ滑走開始。まず次田ガイドがこれから
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滑る斜面の上部を大きくトラバース、キックターンしてまた大きくトラバース。
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しかし、斜滑降キックターンはなだれが起きないか確かめるのが目的で、降りるのが目的では
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なかったようだ。斜面はまだ急だが、次田ガイドはそこからは真下に向かって一気に落ちて
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いくように滑っていく。エーッそのコース取りで滑るのかぁーと思いつつ他の人たちにつられて
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真下に向かっていくと以外にもスキーは軽く動きザック重さも半減する。
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私としては会心の一滑りでした。快適な広い斜面が終わると谷が狭まりデブリの上を滑るようになる。
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スキーを履いた障害物競争、スーパーマリオWorld9横尾右俣、転倒3回でクリアできればエキスパート。
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抱腹絶倒、こんなところでも滑れるのかというコースでした。
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もし来年、また参加させてもらえるならば槍沢のみのコースで参加させてもらいたいと思います。
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天狗原への登りはもう勘弁。
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