2008年度 富士高山岳部OB会・夏山合宿に参加して

              17期・長谷川 和男

 私にとっては、約40年ぶりの北アルプスでした。いろいろなことに感動し、登山
再開を期する私にとって実に収穫多い夏山合宿でした。また、多くのカルチャーシ
ョックも受けました。気づいた反省点もたくさんあります。それらを報告する前に、
まず、参加者のすべての皆様に、心からお礼申し上げます。直前にご不幸で参加でき
なくなった愛甲会長、装備計画ありがとうございました。とりわけ、その共同装備を
急遽引き継いでくださった藤田淳子さんには、心から感謝申し上げます。

1.感動したこと
 @合宿に合流する前の表銀座・個人山行でほぼ日程どおり歩けたこと。合宿でも何
とか25キロ前後のボッカができたこと。まだまだやれるという希望を持つことがで
きました。(もちろん、年相応の限界も感じたのですが。)

 A稲葉さんの山の知識と経験、体力、脚力、判断力に改めて感動しました。(歳は
僕よりだいぶ若いけど、「稲葉先輩!」と呼ばせてもらいました。)

 B合宿の食料が素晴らしく美味かったこと。全日程の夕食・朝食ともにそのおいしさ、
アイディアの素晴らしさ、調理の手際よさなど、ただただ感動しました。現役のころ
の夏山合宿の食事とついつい比べてしまい、大きなカルチャーショックを受けました。
特に特性カレーと手巻き寿司には、感動の舌鼓を打ちまいた。宮本チーフ食料長の事
前準備にあらためて拍手を送りたいと思います。(おかげで、縦走中に間違いなく減
らすことに成功したと思った体重は、増えていた。残念!)

 Cたくさんの高山植物・亜高山植物に出会えたこと。特に、燕岳のコマクサの群落、
蝶が岳のギンリョウソウとクロユリの群落に出会えたこと。
鶴留さんから「センジュガンピ」を教えてもらったことも大収穫でした。女性陣は、
皆さん植物に詳しい!

 D伊井先輩の見事なスケッチに感動!(伊井画伯と呼ぶにふさわしい徳沢幕営地の
水彩画を短時間で完成させた画力に脱帽)

 Eそのほかにも、藤田淳子さんの脚力(蝶が岳からの下りでは、速い稲葉さんにぴ
たりとつけて、常に僕は引き離されていた。)や、雪渓の水の冷たさとおいしさ、最
近の登山用具の進歩、山のトイレのきれいさ、久々の山の歌の合唱(通りかかった年
配の女性から「どこの合唱団?」と声をかけられた。)等々、数え上げたら切りない
ほどの感動を受けました。

 F女性軍、大テントに侵入したスズメバチをペットボトルに捕獲。(刺されていたら
大惨事になっていたことでしょう。)勇気ある女性は、富永さんだったのかな?

 G27日(日)に一足早く蝶が岳から安曇野へ、下山した安藤さんがあの激烈な雷
雨の中、無事下山できたこと。(おそらく大変な思いをしただろうと思います。)

 H同じ日に徳本峠隊が激烈な雷雨の中無事下山できたこと。(心配のないコースと
は思いつつ、最悪の事態を想定して、僕が峠への分岐点で待ち、明神へ向かった稲葉
さんが、すぐに戻ってきて大きな丸を手で作って知らせてくれたときは、ほっとしま
した。

 Iなんといっても最大の感動は、北アルプスの穂高や槍の懐かしい景観と、水のう
まさ、行動終了後の生ビール、酒のうまいことといったら、なかなか都会にいては味
わえない感動でした。

2、今後に検討を要する課題あれこれ
@リーダーの選任の件
 今回稲葉さんに言われて、気軽にお引き受けしてしまいましたが、メールのやり取
りを見ても実質のリーダーは稲葉さんでした。サブリーダーは宮本さんだったと思い
ます。山本さんのご指摘のとおり、約40年のブランクのある僕では、適格性に欠け
るものでした。すでに動き出していた段階で、メール上で「稲葉さん代わって」など
とやり取りするのもいかがなものかと思い、実質は稲葉さんと宮本さんラインで、僕
は山本さんのご指摘のとおり「名誉リーダーでも、まあいいか。」などと思ってしま
いました。でもよく考えれば、28日(月)の下山日のような猛烈な雷雨に表銀座の
稜線上であっていたら、上高地に予定日にいけなかった可能性もありました。リー
ダーをお引き受けする以上は、合宿本体と行動をともにすべきだったと反省しました。

A安物のテントはだめ!
愛甲さんが買ってくれたテントは、雷雨の中でフライのチャックが外れてしまい、本
体はメッシュ、床はビニールで雨が吹き込んでしまいました。赤羽さんの奮闘で、床
にたまった雨水(タオル10回搾り出してもまだ水溜りがある。)は何とか住める状
態になったものの、山では危険でした。海用ではないかという話になりました。次回
は別のものを使いましょう。

B虫対策は木やテントに引っ掛けたり、ベルトにぶら下げられるキンチョウ蚊取線香
を共同装備に組み込むべきだ!
 藤田さんは顔面を刺されて晴れ上がり、目がふさがってしまうのではないかと心配
されるほどでした。伊井さんや稲葉さんも腕や足はでこぼこになっていました。殺虫
剤などでは、とても歯が立ちません。農家の人は農作業に必ずキンチョウ蚊取りをぶ
ら下げてやっています。かゆみ止めや炎症止めの薬は、何がいいか、検討課題です。

Cトランシーバー役立たず!
 見える範囲では通じるものの、影に入るとすぐ通じなくなりました。27日3隊に
分かれたとき、10時、12時、14時の前後18分間交信しましたが、まったくの
徒労に終わりました。今後の検討課題です。

D行動日程は、15時にはベースキャンプに戻れる計画を!
 夏のアルプスはやはり15時から17時に雷雨の確率が高いことを実感しました。
行動計画は、6時出発を心がけることがベターだと思いました。

E合宿参加者の事前ミーティングを行うことが必要!
 参加者の事前ミーティングができるよう計画すべきでした。日程的には難しいこと
かもしれませんが、集まれる日地だけでも顔合わせと確認をしたいですね。そういう
僕も日程が取れるか自身はありませんが。大きな山行には、なるだけそうしたいと思
いました。

F最後に、奥又白池断念の判断のいきさつについて
 今回の夏山合宿で最も要望の高かった「奥又白池」を断念するに至った過程につい
て、僕の判断を記しておきます。今年は例年になく雪が多いこと。最初の休憩地の水
場から尾根に取り付いて1ピッチ目に稲葉さんから「これから先、こんな道が続きま
すがどうしますか?」と問われたとき、『登りは何とかなりそうだが、くだりはかな
りやばそうだ。』と感じていただけに、いざという時ザイルがあれば何とかなるけ
ど、ザイルなしでは安全確保が十分とはいえないと判断し、断念しました。稲葉さん
も参加者の全員もその判断に従ってくれました。次回は、ザイルをもってもう一度挑
戦したいですね。

 とりあえず、気付いたこと、感じたことを書かせていただきました。今後の計画が楽
しみです。水島明彦さんが8月25日ごろ東京に戻ってきます。秋の計画が楽しみで
す。

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34期 冨永

合宿に参加された皆様、今回は本当に色々とお世話になりました。
 
私にとっては初めての事ばかりで皆様の温かいサポートがなければ無事に帰ってこれ
なかったと思っております。
たった2時間強でしたが初めての山の一人歩き(そのうち数分間はお猿さんが一緒に
歩いてくれました)、シュラフで寝る事、外で寝ること、テントで寝ること。。。。
皆様ありがとうございました。
 
長谷川リーダー、あんなに重い荷物を持って歩けるだなんて尊敬です。それに、みん
なへの気配りはさすがに先生だわ、と思って拝見しておりました。
日曜日には心配して土砂降りの中探しにきてくださりありがとうございました。

稲葉さんには驚きの連続でした。あの装備であの速さで歩けるだなんて。。。私とき
たらほんの数分ですぐに遅れてしまって申し訳ございませんでした。さぞイライラさ
せてしまったことと思います。ごめんなさい。

藤田さん、虫刺されはその後大丈夫でしょうか?帰りにはだいぶ引いていたので少し
安心しましたが、生徒さん達に「知らない人だぁー」なんて、言われませんでしたか?
(微笑)

伊井さん、日曜日にはテント番をしてくださりありがとうございました。
お陰様でテントの被害も最小限にすんだのだと感謝しています。
それからあの絵は素晴らしかったです。合宿の思い出に頂きたいなぁーとずうずう
しくも思いましたが、HPに是非アップしてください。

赤羽さんのドラえもんのポケットならぬドラえもんザックから出てくるお菓子はうれ
しかった。特にあのラムネはおいしかったぁ。それに徳本峠で頂いたコーヒーと焼き
そば!ホット和みの場をいただけました。景色と相まって癒されましたぁー。

安藤さんの、ドライカレーにもびっくり。残り物でチャチャチャーっと作ってしま
って。。料理の才能満載!

ちゃちゃさんには凹んでいる時に助けられました。やさしい心づかいありがとうござい
ました。「良いのよ、今日はゆっくりのつもりだから!」で、どれだけ助けられたことか。。。
美知子お姉ちゃまには事前のお買いものアドバイス・トレーニング、用語説明&念願の
カレーに感謝。

最後に愛甲さん、この度はご愁傷さまでした。折角色々と準備なさっていたのに残念
でした。次回は是非ご一緒にと言いたいところですが。。。
 
ここ数年家に寝に帰るだけの生活が続いていたので体がすっかりなまってしまい、
皆様のペースに全くついていけませんでした。色々と道具はそろえたものの私には
皆さんとご一緒するのは無謀だったようです。本当にご迷惑をおかけいたし済みません
でした。
今日はあちこち筋肉痛で膝の痛みも引かず、会社でもよたってあっちこちにぶつかり
まくっていました。(情けない!)
 
では、だらだらと読みにくいものを書いてしまいましたが、最後にもう一度「ありがとう
ございました。」


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ふじたじゅんこです。 
 
飛び入りで夏合宿初参加、不慣れなことばかりで、皆さんにお世話をおかけしました。 
 
 
鳥のさえずりと水の音、満天の星、さわやかな空気、年相応の視力に優しいさまざまな
緑色はとてもリフレッシュになりました。 
 
テントで寝るのは私も初めてでした。 
夏用シュラフでも結構暑く、足下のファスナーで開けっ放しで快適! 
 
コッヘルでご飯を炊くのも、ふ〜ん、そうやるんだ! 
  
食器は洗わない! 下界じゃあ信じられない。でも歯を磨かないで寝るのは平気。 
 
バーナー着火も何回かでき、次回の山行では頂上でラーメンを自分で作ろう! 
でも、アルファー米の五目ご飯もおいしい! カレーも美味だそうで・・・ 
 
雷鳴とともにザーッと降りだした雨、初日は2時間で止んだから・・・と、最終日、
テント撤収開始時間を計算し、 ぴたっと止んでから、テント撤収開始、すっばらしい感性! 
 
その場で、臨機応変に動く野生児たちを目の当たりにしました! 
 
起きる頃に起き、寝る頃に寝る、食べる時に食べ、飲む時に飲む(何をか)、 
見よう見真似で何とか動いて、初テントを楽しみました。 
 
長い人生の楽しみが、またひとつ増えました。 
これも、経験の無い私を、無条件に仲間に加えてくださる fac の集まりと感謝です! 
これからもご指導をよろしくお願いします。 
ありがとうございました。 
 
PS: 
おっとぉ、宮本さんの弱点をにぎりました! 
ゴキちゃんは3週間エアーを換えずペットボトルの中で生き残ります。実験済み! 
スズメバチはそうはいきませんでした! 
 
数十年前練習場所確保で年季が入っているヨーデル、今でもすばらしいかったです! 
もちろん、女性合唱団が近寄って来て、あわや引き抜きか・・・ 
 
最終日朝、落合さんからいただいたなら漬けの味付けで、リーダーじきじき即席の
おじやを作っていただき、 
各々重量を感じずに色々な食材を、一番よろしい方法で持ち運ぶ事が出来ました。 
 
私ごとですが、 
サングラス無しで外を歩けるくらい顔の腫れは引きました。 
左足ふくらはぎの虫刺されの梅干大の水泡を、やっぱり山に入る皮膚科の医者に容赦
なくむかれ、発熱。 
右足の水泡は隠しとうし、破かれることを免れ、今だ二大Dr.ストップを、半分だけ
守っています。 
 
私も初心者、そのうち慣れると思います。 
失敗経験は日常なので、また、よろしくお願いします! 

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蝶ヶ岳からあとの顛末

28期安藤です。

蝶で長谷川さんたちと分かれてからの報告です。

12時ごろ長谷川さんたちと分かれてすぐ、蝶のテント場あたりで穂高の方から雷鳴。
こんな稜線上ののテント場では落雷の可能性もありそうで怖いと思いつつすぐに樹林帯に入る。
豆うち平までは道が狭く岩も多く歩きにくいがそこから先は道も広くゆりやかになり歩きやすい。
2時半に三股の駐車場につく。

車道に出てすぐに雨が降り出し傘を出す。
途中突然熱風が吹き降ろしてきたり、広重の五十三次にあるような雨が降ったり
しましたが、小降りになると着ているものもさらさらと乾いてきてしまいました(ユニクロ
でなくってよかった)。長谷川さん、網シャツにGパンより、モンベルのTシャツにSCHOELLERの
パンツが暑くも寒くもなくお勧めです。

三股から温泉まで直線距離で5キロたいしたことは無いと軽く見ていましたが曲がりくねった道は
倍の距離があり温泉に着いたのは4時半。三股の駐車場までタクシーが入るのに雨の中物好きにも
歩いたのは私だけ。加油しすぎて(注1)足の裏に3センチの豆が出来てしまいました。

皆さんかなり虫にさされたようですが症状からすると虫はブヨ(ブユ)で、蚊取り線香等虫除けも
治療薬も蚊用のものは効かないそうです。どういうわけか私は被害を受けませんでした。


みんなが虫刺されで騒いでいるのになんともなかったのでもしかして中の湯の温泉の成分と関係あ
るのではないかと思っていましたがやはり関係ありそうです。
 米軍御用達の虫除けの薬、CHIGG AWAY 山でこれを使ったひとの話ではかなり効果があるらしい
ですが、成分はサルファ(硫黄)10%これからは中の湯によってから徳沢に行くことにしますか。

注1:
頑張って歩きすぎて足の裏に豆が出来たと言う意味です。 
(足に油を塗って歩いているわけではありません。) 
 
加油(中国語・FAC的にはガンバの意味)。日本の頑張れは 
体力使い果たしたあとででも、あとは気力で頑張れ的な使い 
かたをするが、大陸のタフな人々は油が尽きるなどということ 
はなく、あるいは体力使い果たした人に気力で頑張れなど 
と不合理なことはいわないのか。この加油という言葉を使うと 
きのイメージに興味があるので、ご存知の方お教え願います。 
(例えば,アクセルを踏み込んでガソリンを送り込むような感 
覚かあるいは、単純に火に油を注ぐ感じか) 
沢登さん、ちょっと北京に行って聞いてきてください。 
 
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21期宮本です。

合宿では従妹共々、参加者の皆様に大変お世話になりました。
色々ありましたが、皆様のお陰で無事に終了できたましたことを、
御礼申し上げます。

食料や記録についてはこれからまとめます。今暫くお待ちください。

愛甲さん・落合さん・大坪さん、そして藤田きみこさん、
夜中の遅い時間にもかかわらず、お見送りありがとうございました。
差し入れの品々、皆で美味しく味わいました。
吉川さんの差し入れの“あかしやの蜂蜜”も大変美味しかったです。
取り急ぎ、御礼方々ご報告申し上げます。

個人談:上高地でシャワーを浴びるために、温泉セットをザックから出し、
諸々のものを再びザックにしまうときでした。共同装の包丁(牛乳パックの
サックに入れたもの)をウレタンのクッションに挟んで、ザックの側面に
差し込みました。その時に不気味な音が“プシュッ”と聞こえてきました。
もしやと思い包丁を引き抜くと、先端が1センチ弱出ているではありませんか。
“やってしまった”と思いましたね。新調したダウンのシュラフか、はたまた
エアマットか・・・。家に帰りザックの中身をひっくり返しましたが、
それらしき形跡はありません。ホッとした半面、あれは何の音だったのだろうと
未だに不審であります。

その代わりと言っては何ですが、雨に濡れたデジカメに電源が入らなくなり、
今日主人がキャノンに修理に出しに行ってくれましたところ、修理代が
1万円弱・・・。どう考えれば良いのでしょうね?!でも両方アウトでなくて良かった!