雲ノ平にリベンジ 2008/09/23-27

猿渡生祥(13期愛甲氏ご学友)

9月23日
今年最後のバスで折立に降り雲ノ平に向かいました。この前はガスの中登った薬師岳が秋空を
背景に大きな山容で迎えてくれました。この日は太郎平から薬師沢小屋に向かい泊りました。
 
24日
小屋の前のつり橋を渡っていきなり2時間の急登のすえ木道が現れると雲ノ平西端のアラスカ
庭園です。雲ノ平山荘の手前で祖母岳に上れば山腹はアルプス庭園で見事な紅葉でした。
祖母岳の眺望は最高でした。
笠ヶ岳、槍、鷲羽、水晶、薬師、黒部五郎らの名峰が取り巻いていました。
雲ノ平山荘の先を高天原峠から高天原山荘に向かいました。小屋に着いたら早速温泉です。
湯は河原に面した露天で白濁し硫黄臭があり、私には程よい湯加減です。
5人グループがちょうど湯から出るところで、あとは一人で髭など剃ったりして堪能しました。
まことに幸せな気分でした。
 
25日
朝から雲の動きが急で天候は急速に悪くなりそうでした。この日の計画は、小屋からワリモ
北分岐へ登り返し、水晶岳をピストンし、鷲羽岳を越えて三俣山荘に泊る歩行8時間の行程。
ところが歩くにつれ風は強まり、ガスは深く稜線の風雨はさらに強くなってきました。
ワリモ北分岐で小休止し考えたすえ、両峰の頂上をあきらめ巻き道をたどり三俣山荘へ向か
いましたが天候は暴風雨状態になり、巻き道とはいえ体は時に飛ばされそうになりながら、
かなり必死に歩きました。小屋までの時間が長く感じた事でした。
 
26日
本来なら三俣蓮華岳、双六岳を越え新穂高温泉に降りる予定です、天候は夕べのまま荒れ狂
っており計画の行程はまたもあきらめました。しかし明日中には帰らないと次週の予定が
あり、できるだけ今日下に降りたく、巻き道をたどり鏡平山荘まで降りることにし風雨の中
を出立しました。途中双六小屋で休息し無事鏡平山荘に着きました。
 
27日
翌朝は雨が上がっていました、小屋の周囲は薄っすらと雪です、周りの山々も薄化粧です。
北アルプスに冬が近づいています。小屋の前の池越しに槍から穂高が望めます。こちらから
観るとまた見事で小槍や穂高の大キレットがはっきり見えます。滑りやすい木道や石に足を
とられながら残念な思いを抱いて山を降りました。
平湯のバスターミナルの3階にある温泉はバスを待つ時はお勧めです。600円で休憩室も
あり、ゆっくりできます。重いザックを背負い5泊(車中一泊)6日の縦走は終わりました。
やはり山は天候がすべてです。
雲ノ平の感動と高天原の温泉がいい思い出です、また行こうと思っています。
黒部五郎が呼んでいます。

1 太郎平から薬師岳


2 雲ノ平、アルプス庭園


3 祖母岳から水晶岳


4 祖母岳から槍ヶ岳


5 祖母岳から笠ヶ岳


6 雲ノ平山荘


7 鏡平の初雪と穂高